公共図書館の課題

2006年、これからの図書館の在り方検討協力者会議が、図書館の振興を目的に発表した『これからの図書館像』の一文をご紹介しましょう。

 

「図書館は、さまざまな主題に関する資料を収集しているため、課題解決や調査研究に関して、どのような課題にも対応でき、どのような分野の人びとにも役立つ施設であり、また、関連する主題も含めて広い範囲でとらえ、多面的な観点から、情報を提供することができる」としています。

 

そのとおりなら、“知に関する何か”を探り、ヒントやアイディアを見つけようと訪れたひとにとって、図書館は、なんと魅力的な施設ではないでしょうか!ところが、図書館の実態として、同会議では、図書館の持つ力や効用はあまり理解されていない、と“自己批判”もしています。

 

その理由として、小規模な図書館では、小説や雑誌、実用書など収蔵が中心となるケースが多いことから、より高度な知識を得たい利用者には、ソッポを向かれてしまう。あるいは、図書館は、単に“本を借りるところ”で、レ課題解決のファレンスを行うはずの司書は“貸出の手続きをするひと”という認識しかもたれていない、とも。

 

実際に、2010年の図書館の利用登録率は、全国平均で38.3パーセント。わが国の3分の2に上る人々が、図書館を利用しないことが裏づけられました。アメリカの登録率は50〜60%で、その高さは、アメリカにはすぐご近所に書店がない、などの生活利便の問題もあるかもしれません。

 

けれども、わが国の子どもたちの読書離れが指摘され、あらゆる世代にインターネットが浸透化している現在、このまま図書館の利用率が低い状態が続けば、いずれ、図書館が、予算削減の好都合な対象にもされかねないのは明白です。

 

無料貸本屋と揶揄されてきた図書館の課題解決の一つとして、「図書館評価」が生まれたのも、そのような経過からといえます。

 

最近になって、お洒落なカフェを併設したり、居心地のよいキャレルを設置する図書館も現れました。批判する向きもあるようですが、“場”としての図書館に発想を得た、あらたな引力の創出として、注目されています。