現代図書館の課題

アウトリーチについて

 

図書館の業界では、活動の中で所蔵資料のサービス等が行き届いていない人々に対して、一歩踏み込んだこれまでにない新しい活動を通して、サービスの拡張を意図的におこなうことがあります。

 

これをアウトリーチと呼び、1960年代頃からアメリカやイギリスなどで活発になりました。日本に限定して言うならば、1970年代から始まった障害者サービスや80年代末におこなわれた在日外国人等を対象とした多文化サービス、または高齢社会に合わせた高齢者サービスなどが挙げられるでしょう。

 

人々が図書館に抱くイメージはそれぞれですから、「図書館なんて」と思っている人や、中には一度も図書館を利用したことがないという人もいるでしょう。そういう人々に図書館の存在を知って貰い、暮らしの中に位置づけて貰うことで、それを「豊か」だと感じて貰うことは簡単なことではありません。

 

図書館で働く司書達は、そのための創意と工夫をおこない続けなければいけないのです。

 

進化が求められる図書館サービス

 

以前、来館するお年寄り約100人を対象に、「高齢者の図書館利用の実態調査」のたまインタビューをおこなったことがあります。図書館を日頃からよく利用している高齢者は、地域の老人クラブなどへの参加が比較的少ない人が多く、自分自身に対する課題意識が持った人が多い傾向にあるということが分かりました。

 

また経済大国日本では、外国からの留学生や労働者の数が年々増加しています。彼等とて、日常を生きていくために必要な情報を求めているはずでしょう。しかし、、その手掛かりをどこに求めて良いのか、分からない場合もあるのではないでしょうか。

 

暮らしの中で図書館サービスを根付かせたいと考えるならば、日本に滞在する外国人達にとってもそうである必要があります。学習は誰に対しても平等で「文化的ぜいたく品」ではなく、皆が人間らしく生きるための権利でなければいけないのです。

 

そういう意味でも権利である学びに疎外がなく、誰に対しても図書館サービスが行き届くように図書館サービスを創造し、発展していくことが求められているのです。現代図書館が抱える課題は、まだまだ山積みだと言えるでしょう。