電子書籍の貸出について

公共図書館で、話題の新刊や文学賞を受賞したばかりの作品を借りようとすると、数10人待ちで、2カ月ほど待たされるのは当たり前。借りることを諦めて、書店で購入する人も少なくありません。

 

そのような中で、「講談社」「KADOKAWA」といった出版大手と、大手書店の「紀伊國屋書店」によって、公共図書館で電子書籍化した新刊の無料貸出を行おうとする試みが、全国3000の公共図書館で、今年中にも試験的に始まろうとしています。

 

電子書籍の無料貸出は、インターネット上では、著作権の切れた作品を電子化した「青空文庫」がおなじみ。公共図書館では、すでに、東京都千代田区立図書館が出版社と提携し、電子書籍の貸し出しを行い、パソコンやスマートフォンによる閲覧が可能となっています(※閲覧は、貸出期間の2週間のみ。内容のコピーは不可能になっている。期限が経過すると自動的に削除される)。

 

とはいえ、人気の高い新刊やベストセラーとなると、著作権法上の問題もあり、新刊や人気作品が電子図書の貸出のラインナップに上ることはありませんでした。

 

今回の試みでは、著作権については、出版社と図書館の間で、図書館への課金を行うことによって利益を出していくことが合意されています。電子書籍が利用可能な公共図書館は10館程度と、世界で最も遅れているといわれる日本。

 

利用者にとっては、住民票がある、通勤・通学している、などの要件を満たせば、自宅のパソコンで居ながらにして、しかも無料で、話題の新刊を閲覧できるのは大きな魅力です。紙の書籍にありがちだった、人手を渡ったことによる汚れの付着などの問題もありません。

 

図書館にとっても、一度に、多くの利用者への貸出しが可能となりますし、返却の延帯やそれに伴う催促などの手間も省けます。

 

問題は、貸出人数の大幅な増加による、図書館への課金額がどのくらいに上るかということです。通常、図書館では、同じ本を2〜3冊、購入するそうです。ベストセラーでも、仕入れる金額は、5000円に満たないはず。

 

電子図書関係の専門家の間には、将来的には、公共図書館の利用無料の原則から、貸出しの一部有料化、などの議論も生まれています。

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私は、働きながら、大学の通信講座で科目履修し、念願だった図書館司書の資格を取得したばかり。これから、図書館司書への転職を目指しています。ただ、問題は、図書館司書の収入です。