公共図書館の今後

2006年に発表された「これからの図書館像」は、『これからの図書館像検討協力者会議』(図書館未来構想研究会 代表 糸賀 雅児/慶應義塾大学文学部)のメンバーが、今後、公共図書館が取り組むべき課題を示したもので、図書館外の有識者たちからの提言として注目されました。

 

その中で、図書館サービスの新たな視点として、公立図書館をめぐる状況、これからの図書館経営に必要な視点などについて、さまざまな事例を挙げて、今後の展望を述べています。

 

中でも「これからの図書館サービスに求められる新たな視点」として、レファレンスサービスを不可欠のサービスと位置づけ、レファレンスの意義、問題点、改善、利用者別・課題解決のサービスなどの重要性について、幅広く提案を行い、レファレンスの利用を促進する体制と環境の整備が必要、と述べています。

 

それまで貸出し優先で整備が遅れていたレファレンス業務をクローズアップしたもので、司書の専門性、レベルアップの必要性について、司書自身の自己研鑽はもちろん、環境の整備の必要性もアピールしたもの。

 

同じ年に、日本図書館協会内には、専門職としての司書制度の確立を目指す「専門性の確立と強化を目指す研修事業検討ワーキンググループ」が発足。

 

同グループは、専門職としての司書制度の確立を目指すための協議を重ねてきましたが、2010年に『司書認定制度』をスタートさせました。『司書認定制度』の認定司書とは、公立図書館の職員で実務経験10年以上、一定の研修を受けており、論文などの著作がある、などを受検要件とし、同協会の認定司書審査会が審査し、認定するもの。

 

日本図書館情報学会でも、2007年からの試行を経て、『図書館情報学検定試験』が毎年、行われています。どちらも、高レベルの専門性をもつ司書の存在をアピールし、公共図書館が単なる“無料貸本屋”ではなく、課題解決や調査研究への対応が可能な施設であることを強く訴えるもの。

 

公共図書館の今後は、プロフェッショナルな専門職としての司書の存在にかかっている、といえるのではないでしょうか。