図書館のさまざまな機能

図書館の機能は、「教育機能」と「情報提供機能」の2つに大別されます。2つの機能は、図書館の本質的な機能として同一線上にあるように見えます。

 

けれども、選書の段になって、不整合なものへと変化します。選書の基準には、「選書理論」があり、「価値論」と「要求論」という考え方があります。「価値論」は、図書館の教育機能から、資料そのものの内容に重きを置いた『資料重視型』、「要求論」は、情報提供機能に重きを置き、利用者が求める本を中心に選ぶ『利用者重視型』となっています。

 

「価値論」「要求論」のすべてを満たすことができればよいのかもしれませんが、図書館は、限られた予算と収蔵スペースをにらみながら収集を行わなくてはなりません。知的レベルが高く、一般の人には敷居が高い本ばかりでは、リクリエーションとしての読書を求める利用者にはそっぽを向かれます。

 

かといって、コミックスやライトノベルのラインナップが圧倒的なのでは、知識や高度な情報を欲する利用者は、去ってしまうでしょう。この考え方は、レファレンスサービスにも反映されるもので、「保守理論」(最少理論)と「自由理論」(最大理論)に分けられます。

 

「保守理論」は、利用者が聞いてくれば、調べ方などはある程度は示すものの、それから先は、自分でやってもらおうという考え方です。これに対して、「自由理論」(最大理論)は、調べることに長けていない利用者に代わって、調べるプロ、を自認する司書が、短時間のうちに効率的な調べ物を行うというもの。

 

現在、選書にしても、レファレンスサービスにしても、2つの対立した考え方のどちらかに偏るのではなく、バランス感覚が必要なことは、いうまでもありません。これらに加えて、図書館ならではの“場の演出機能”も無視できないもの。

 

たくさん並んだ本に、わくわくとした読書への好奇心をかき立てられたり、読書会やワークショップの開催、さらにまちのランドマークとして、待ち合わせの場所に使ったり。人の集まる場として、その複合的な機能も、無視できないものとなっています。